ムニエの可能性を信じる、マルヌ右岸の小さな村の若手女性グローワー
20 代の若き女性グローワーがデビューしました。マルヌ右岸の小さな村、La Neuville auxLarris ラ・ヌヴィル・オー・ラリスに本拠を置く Machilde Savoye マチルド・サヴォイです。マチルドは 1995 年生まれの今年 28 歳。アヴィーズのリセ・ヴィティコールでブドウ栽培と醸造を学んだ後、2017 年、22 歳の時に家業に参画しました。当時、マチルドの両親は、他の多くの蔵元と同様に協同組合に加盟し、ブドウは組合と大手メゾンに売却していました。しかし、現在のシャンパーニュのシーンで頭角を表している新世代の若手グローワー達と、学生時代から交流のあるマチルドは、進歩的な考えを持っていました。このため、ブドウ栽培だけをしてメゾンや組合に売却するという、それまでの家業の方針を転換。組合を離脱し、畑をビオロ
ジックで栽培し、2019 年から自身のブランドでのシャンパーニュの醸造を始めたのです。
ドメーヌがあるラ・ヌヴィル・オー・ラリスは、マルヌ河沿いのキュミエールやダムリーの村よりさらに西で、マルヌ河から一つ北の内陸に入った村です。この村で元詰めをしているグローワーは彼女しかいません。村の中にもブドウ畑はごく僅かしかありません。マチルドは隣村のBaslieux-sous-Châtillon バリュー・スー・シャティオンと Cuchery キュシュリーに 3.5ha の畑を所有しています。ドメーヌの畑はムニエが主体で(9 割)、その他に、ピノ・ノワールとシャルネを少し(各 5%)栽培しています。
ドメーヌの畑は、マルヌとは思えないほど起伏かあり、遠くの村まで見渡せるコート(丘陵)の斜面に位置していました。畑はビオロジックで栽培していますが、手続きが煩雑であるため認証は受けていません。ブドウ畑では定期的に耕耘を行い、畝の間には下草を生やして周囲の野生生物を保護しています。また、エンバク、菜種、マスタード、クローバーなども畝の間で栽培しています。畑の地質は粘土とシルト混じりの石灰質土壌です。
両親は既に引退。夫は別の仕事をしているため、マチルドは 2022 年 3 月に生まれた子供を育てながら、ほぼ一人でドメーヌを運営しています。マチルドは 2019 年から自身の名義でのシャンパーニュの醸造に着手しました。ムニエ品種の可能性と潜在性を信じるマチルドは、デビューからムニエ 100%のキュヴェで勝負を掛けました。2019 年ベースの初ヴィンテージは、
二つのリュー・ディで栽培されたムニエのアッサンブラージュのキュヴェです。そして、2020 年からはコトー・シャンプノワの醸造も始めました。こちらもムニエ 100%のキュヴェですが、マセラシオン・カルボニックで醸したユニークなコトーです。
そして、満を持して昨年この二つのキュヴェをリリースしました。若き女性のデビュー作ですが、既にイギリス、デンマーク、イタリア、オランダ、スイスなどに輸出され好評を博しています。
(輸入元より抜粋)