Podere Luisa/ポデーレ・ルイーザ

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謙虚に伝統を守る姿勢をもった造り手、完成度の高い地酒

イタリア最大級の生産地域にありながら、固定概念にとらわれず、謙虚に伝統を守る姿勢をもった造り手。 トスカーナ中部、シエナより内陸に50kmほど、アレッツォ近郊の丘陵の町モンテヴァルキ。クラッシコと は全く異なる親しみやすさがありながら、深い伝統を持つ地域。サウロ ブルザッリは1999年、家族で代々 営んできた2.5ha のブドウ栽培と醸造を引き継いだことから始まります。彼の父は昔から 変わることなくワイン造りを行ってきた農民(Contadino)であり、畑では最低限の銅と 硫黄物以外一度も使ったことがありません。(1980 年代、この地域でも近代化が進んだが、 彼の父はそれを一切受け入れなかった。)年2 回の鋤き込みと手作業中心の栽培、 醸造においても一切の変化を受け付けない、唯一変わったのは牧草や作業道具の 運搬や移動にトラクターを使うようになったことぐらいであろうか、、、。サウロはこんな 父の偉業(たしかに当時は周囲から変人扱いされていたこともあったものの)に敬意 を表し、自分の生まれたモンテヴァルキのワイン造りを残していくことを決意、2002 年、2004 年と段階的に植樹を行い、2008 年よりキァンティのボトル詰めを開始。

畑は2.5ha の高樹齢の畑(I Boschetti)と、5~10 年の畑、合わせて5ha。標高 300~350m土壌は非常に粘土質が強く、石灰は少なく砂が多い土壌、そして何より 標高が高く丘の上にあるため、日当たりのよさと風が吹き続ける好条件。理想的な 環境が整っています。ボトル詰めはわずか8000 本。サウロの考える農法は基本的に不 耕起、無肥料による栽培を行う、畑で使用するのは最低限の銅と硫黄物、またビオ ディナミ式の調剤も一部使用している。植樹したばかりの若木であっても、全く施肥を 施しません。樹にとって厳しい環境で成長するほど、樹にとって良い影響を与えると考 えています。

醸造に関しても妥協のないこだわりが垣間見えます。すべてのワインにおいて収 穫後、一切除梗せずに長いマセレーションを行っています。ビアンコでさえ約半分は除 梗せず、果皮もそのままの状態で20 日以上のマセレーション。(半分というのも、減ら したわけではなく、いい状態で熟成に至った果梗が半分程度であったため。)キァン ティはすべて除梗せず、20~21 日のマセレーションを行います。果梗は熟成していない (まだ青味のある状態)で加えてしまうと、臭みや余計なタンニンなどの影響があると 考えられてきました。しかし、十分に熟成した健全な果梗であれば、果皮や種子とともに ワインを保護し、醗酵の速度を穏やかにするといったきわめて大切な役割をする、と 語るサウロ。結果醸造過程でSO2を使用することなく、安定した状態を保つことにつ ながっています。大型のセメントタンクにて温度管理することなく醗酵、大樽にて熟成。 生産量の少ないビアンコは古バリックにて熟成を行う。途中オリ引きを行うのみで、ノ ンフィルターにてボトル詰め。

ビアンコ アムネジアはその名の通り「忘れ去られた」ワイン、高樹齢のトレッビアーノ、 マルヴァージアを半分除梗せず20日間のマセレーションを行い、ノンフィルターにて瓶 詰め、祖父の仕込み方を再現。現在も造っているスフーゾの雰囲気を持ったイル チオットロ。イ ボスケッティは2009 年に醸造し たキァンティでありながら、DOCG の官能検査で落とされてしまったが、あえて再検査を受けずにさらなる熟成を経てキァンティの名 を冠せずリリース。これほどまで忠実に伝統を守っていても、現代のキァンティの基準にそぐわないという不条理に、正直虚しさを覚 えてしまいます。 几帳面なほど丁寧な仕事、そして出来上がるワインの持つ「香り」の素晴らしさ。そしてどこか親しみを持てる味わい。 キァンティという名前を大切にしながら、思い描く父の時代のキァンティの味わいをこれからも楽しむことができます。

(輸入元より抜粋)

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