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ナチュラルワイン界の孤高かつ偉大な先駆者
ブルゴーニュ地方の町ボーヌからジュネーヴに向かっておおよそ2時間ほど車を走らせると、アルボワの地に到着します。
この周辺は、フランス産ハードタイプのチーズにおける最高峰「コンテ」の名産地であり、ブドウ栽培だけではなく牧畜がとても盛んな場所でもあります。ピュピヤン村においてワイン造りを営むエマニュエル ウイヨンは、ヴァンナチュールの生産者の誰もが尊敬して止まない、ピエール オヴェルノワで 15 歳の頃より働いていました。オヴェルノワ氏は既に引退しており、現在はビオのパン職人としてこれまた最高に美味しいパンを毎日焼いています。
訪れるたびに、「自分のワインは1日に3回は変化する。だから1年では1000回近くの変化を楽しむことができるのだよ。10年以上は熟成するから、そうすると10000回の変化だな。」と語っていたことを思い出します。
ウイヨンは、オヴェルノワの造ったワイン、30 年以上も使用している発酵タンクや古樽だけではなく彼の哲学を正統に引き継いだ人物で、ある大変に難しいヴィンテージの醸造の際に、亜硫酸の添加を迷っていた師匠のオヴェルノワに対してウイヨン本人が、使うべきではないと進言したという話があるほどです。ウイヨンのワインは、彼が飲み頃と判断した段階で出荷されることが一般で、そのため蔵にはさまざまなヴィンテージのワインが静かに熟成しております。
(輸入元より抜粋)