Julian Haart/ユリアン・ハールト

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ドイツの⼆⼤頭へ並ぶカビネットの⼿

ハールト家は1337年からモーゼルのピースポートでワイン造りを行っており、モーゼル地方で最も古いワイン生産者の家系の一つとされています。ユリアン自身は料理人としてキャリアを開始。トリーア近郊のハラルド・リュッセルのもとで学び、その後クラウス・エルフォルト(当時ドイツ国内でわずか10名しかいなかった三つ星シェフの一人)のもとで修業を積みました。修業中、レストランのオーナーがテイスティング用のワインをスタッフと共有し、意見を求めていたことがきっかけで、彼は間もなくワイン造りに対する情熱を見出すことになります。ナーエ地方のヴェルナー・シェーンレーバー、モーゼルのハイマン=レーヴェンシュタインで経験を積み、ザール地方ではエゴン・ミュラーのシャルツホーフの神話的なワインと出会います。そして彼に最も大きな影響を受けたのが、ラインヘッセンのクラウス=ペーター・ケラーのもとで過ごした2年間でありました。この経験は彼のワイン造りに決定的な影響を与え、現在でもケラー家との深い絆を築いています。
彼のワインは2010年のデビューから瞬く間にスターダムを駆け上がりました。その経歴は興味深いものだが、当然品質の高さにおいて世界中のコレクターたちが彼のワインを求めるのは理解できます。サッカーカタールW杯のファーストクラスおよびVIPラウンジでは、参加国のトップワイナリーのワインが提供されたが、ドイツから選ばれたのは、ケラー、エゴン・ミュラー、そしてユリアン・ハールトでした。

ユリアン・ハールトでは現在計5 haの畑からクヴァリテーツヴァイン(Qualitätswein)と プレディカーツヴァイン(Prädikatswein)という2つのカテゴリーでワインを生産しています。特筆すべきことに、ユリアンはプレディカーツヴァインにおいてカビネットに注力してます。プレディカーツヴァインの中で最もエクスレ度の規定が低いカテゴリーであるが、それでもユリアンのワインが凝縮感と複雑性を備えているのはブドウの糖度よりも、アロマや果皮の成熟に重点を置いているからと感じます。熟しても酸の高さを保つリースリングという品種において、この熟度を感じさせるスタイルが彼のワインの特徴であるバランスの良さを際立たせているように感じます。また、それらが異なる区画や樹齢を表現しているのも興味深いです。カビネットにおいて彼ほど多く、ワイン評価誌で 100 点満点を 獲得しているドイツの醸造家はいません。彼は2010年にワイン造りを始めたばかりですが、すでに3回も100点を獲得しています。畑では伝統的なアインツェルプファール仕立て(棒仕立て)を採用しています。ハート形に結わえた母枝から伸びる新梢を杭に固定する手法で機械化が難しくすべて手作業で行う必要があります。この方法により、果汁糖度の上昇が抑えられながらも、生理的完熟によってアロマがしっかりと成熟した状態のブドウが収穫できます。

(輸入元より転記)

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