Ex Nihilo/エクス・ニヒロ

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理想のワインを造るためシャンパーニュからブルゴーニュへ 

ラテン語でfrom scratch(ゼロ、何もない状態から)を意味するEx Nihilo(エクス・ニヒロ)という言葉をワイナリーの名前に冠したモルガンとアルバン。その名の通り、彼らはブルゴーニュのシャサーニュ・モンラッシェを拠点にゼロからワイン造りを行っています。シャンパーニュ出身のモルガンヌとアルバン。二人はシャンパーニュのワイン学校に通いながら、シャンパーニュの名門ユレ・フレールやベレッシュで働きます。某著名レコルタンの家に生まれたモルガンはもともと家族のワイナリーに加わる予定でした。しかし、「シャンパーニュにはシャンパーニュの魅力があって好きだけど、働いているうちにアッサンブラージュが一般的なシャンパーニュよりも、ヴィンテージやテロワールの特徴を表現したワインを造りたいという想いがどんどん大きくなっていったんだ。」二人はシャンパーニュを離れブルゴーニュに移住することを決断しました。

ブルゴーニュでは畑の価格が高騰し、新規生産者が畑を購入するのが難しくなっています。そのため現在では小規模なネゴシアン(マイクロ・ネゴシアン)が多く誕生しています。「ブルゴーニュに移住を決意したけれど、僕たちはシャンパーニュから来た”外の人”で知り合いもいなかったから、本当に苦労したよ」とアルバンは振り返ります。ところが偶然、ブドウ栽培を引退した農家の方と知り合い、シャサーニュ・モンラッシェに居を構え、別で知り合った人から2つの区画のブドウを購入できることとなりました。少量ではあるが2023年ヴィンテージから彼らはワイン造りを始めることができました。「小さくても夢をスタートすることができたことが本当に嬉しい。」アルバンは少年のように目を輝かせていました。

「それでも生産量はまだ少ないため、アルバンが畑とセラーで働き、モルガンはオリヴィエ・ルフレーヴの輸出担当をメインジョブとして働いている。」「完全にブドウを購入してワインを造ることもできるけれど、僕は自分の手で育てたブドウからワインを造りたい。借りている区画ではあるけれど、その方が、しっかりとブドウとテロワールを理解できて、いいワインが造れると信じているんだ。」エクス・ニヒロでは畑を契約で借り、アルバンが一年中ブドウの世話をしています。「ブドウや畑のエネルギーを最大限活かすために有機農法を行い、ブドウを傷つけずに適切な状態で収穫するために、全て手作業で収穫をしているよ。」 

マイクロ・ネゴシアンが増加していることを背景に、現在ブルゴーニュでは複数の新しい生産者で共同のセラーを建てるケースが増えています。ワインの保管だけではなく、プレス機やボトリングマシーンをシェアしています。エクス・ニヒロもピュリニー・モンラッシェに位置する共同セラーで、今をときめくアイシー(Icy Liu)やアドリアン・ブリソー(Hadrien Brissaud)、エイドリアン・ラター(Hadrien Lattard)など10生産者とセラーを共有しています。初年度は移住してからできたポマールの友人のセラーで醸造を行ったが、ボトリング前にこの共同セラーが完成したため、ボトリングとエイジングはこのセラーで行いました。彼らにとってファーストヴィンテージとなった2023年。「力強くも試練の多いヴィンテージだった」と振り返ります。穏やかな冬に始まり、不安定な春、夏は猛暑と涼しさ、嵐が交互に訪れました。シーズンを通して平年を上回る気温を記録し、生育期には深刻な水不足に陥った。それでも、アルバンは近くで丁寧に畑の管理をしていたため、これらのチャレンジングな状況にも対応できたと言います。 

(輸入元より転記)

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