Domaine de Clovallon&Mas d’alezon/ドメーヌ・クロヴァロン&マス・ダルゾン

目次

母親から娘へ、ワインの多様性と可能性を広げる取り組み

クロヴァンロンでは 2000 年にビオロジックから完全なビオディナミへと移行し、全てのワインが厳格なデメテールの認証を受けています。栽培では、ブドウ木に過剰な負荷を掛けないようグリーン・ハーヴェストも摘芯も除葉も行いません。醸造においても野生酵母のみでブドウ以外には何も加えずブドウの力だけで自発的に発酵を行い、亜硫酸も必要な場合に限り最小限添加するのみで、可能な限り介入を排したナチュラルワインを造っています。ル・トン・デ・スリーズのすぐ南のベダリューにあるクロヴァロンは標高 250~400m の高地にあり、ラングドックでも冷涼なミクロクリマに位置しています。このため、ブルゴーニュ的なフィネスとエレガントさを備えたナチュラルワインを生み出しています。

ドメーヌはこれまで母と娘の二人三脚で運営されてきましたが、2016 年からは、ステファノ・ルビアナ、マリー=テレーズ・シャパーズ、アンジェロ・ガヤなどで修行した娘のアリックスがドメーヌの全権を任され、新たな取り組みを始めています。約 200 年前に植樹された 15 種以上の地場品種が栽培されるクロから、フィールドブレンドで醸造したキュヴェや、中世のブ
ルゴーニュの慣行を逆転させた手法によるシラーとピノ・ノワールのブレンドキュヴェ、そしてリースリング種主体のオレンジワインなど、既成概念に囚われない、ワインの多様性と可能性を広げる新たなキュヴェのリリースを始めています。2017 年からはナチュラルワインのイベント「Raw Wine Fair」にも参加しています。

ドメーヌ・ド・クロヴァロンは Catherine Roque カトリーヌ・ロックによって 1985 年に創設されました。建築家をしていたカトリーヌは、フォジェールの北隣の村 Bedarieux ベタリューに畑付きの自宅を 1985 年に購入。ブドウ栽培とワイン造りを独学で学びながらドメーヌの経営を始めました。当時、畑にはアラモンといったラングドックの大量生産用のブドウが植え
られていましたが、ドメーヌは標高 250~400 メートルの高地で、ラングドックでも冷涼なミクロクリマで、畑は北向きの緩やかな斜面に位置していました。このため、南仏の品種よりも、冷涼は気候の品種が向くと直感したカトリーヌは、1985年にシャルドネ、1988年にヴィオニエ、1989 年にはピノ・ノワ-ルを植樹していきました。ヴィオニエなどは、ドメーヌ・ジョルジュ・ヴェルネイの畑に出向き、穂木を譲り受けてドメーヌの畑に植樹するほどの情熱を傾けて栽培を始めました。また、ピノ・ノワールに関しては、ラングドックで初めてピノ・ノワールが植樹したのが、ドメーヌ・ド・クロヴァロンでした。というのも、当時、まだピノ・ノワールはヴァン・ド・ペイ・ドックの指定品種に認定されていなかったのです。自身の畑におけるピノ・ノワールの可能性を信じたカトリーヌは、INAO に陳情を働きかけ、最初は実験という名目で許可を得てピノ・ノワールを栽培していきました。その後、ドメーヌで栽培されたピノ・ノワールから造られたワインの品質の高さが認められたことによって、ピノ・ノワールはヴァン・ド・ペイ・ドックの品種として正式に INAO に認められるようになったのです。つまりカトリーヌは南仏のピノ・ノワールのパイオニアであり、母である存在なのです。


現在の栽培面積は 11ha で赤ワイン用 2 品種、白ワイン用 8 品種が栽培されています。畑は品種毎 11 区画に分かれ、1ha
超える区画はピノ・ノワールの 2 区画とヴィオニエの 1 区画のみで、その他は全て 1ha 以下の小さな区画になっています。ドメーヌのブドウ畑は北向きのすり鉢状になっています。ちょうど谷の出口に位置するため、標高1000m に達する Monts de L’Orb オルブ山と、Larzac ラルザック台地から冷たい空気が吹き付けてきます。また、畑の南には石灰岩の断崖があって、ブドウ畑を海からの暑い空気から遮断しています。こうして、北の品種に向いた冷涼なミクロクリマが形成されているのです。

一方、この畑の南側にある石灰岩の断崖が巨大な貯水槽の役目も果たしているため、地中 7~10mにある母岩の上を地下水が流れ、ブドウ木に安定的に水分が補給されます。ピノ・ノワールは特に水のストレスに非常に敏感であるため、栽培に最適な環境が揃っているというわけです。また、畑の地質は、この地域では珍しいマグネシウムが豊富なドロマイト石灰岩土壌の地層であるため、豊かなミネラルがワインに表現されることも大きな特徴です。ドメーヌ名の Clovallon クロヴァロンとは、南仏の方言で「谷あいの窪地」を意味します。設立当時、ドメーヌの建物があった場所が、谷あいの窪地に位置していたためこ
の名前が付けられました。

2016 年からは、イタリアのアンジェロ・ガヤ、タスマニアのステファノ・ルビアナ、スイスのビオディナミの大御所マリー=テレーズ・シャパーズなどで修行したカトリーヌの娘の Alix アリックスがドメーヌの全権を任され、新たな取り組みを始めています。                                                  (輸入元より抜粋)

《Laisseer Faireより》

とにかく、エレガントな酒質のラングドックのピノを産み出す造り手。アリックス手掛けるエントリーキュヴェのピノ・ノワールと、母カトリーヌのブランド、マス・ダルゾンが入荷しました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次