Divella Alessandra/ディヴェッラ アレッサンドラ

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型に囚われない自由な発想とストレートな自己表現のスパークリング

ロンバルディア州ブレーシア、 DOCGフランチャコルタと言えば 、 広く知られている高品質スパークリングワインの生産地域。フランチャコルタの 生産地域の東側にある グッサーゴの町で、2012年よりスタートした 造り手アレッサンドラ ディ ヴェッラ。ブレーシアの町で生まれ育った彼女、 ワイン造りへの憧れは 驚くほど早く、 幼少期から自分でワインを造りたいと思っていたそうです 。そして2010年 、 20歳という年齢で22haのブドウ畑を 購入 。醸造学校には行かず、近隣のワイナ リーで働きながら学び、自分の造りたいワインへのイメージを膨らませていたと語ります。 グッサーゴとチェラーティカの中間に位置する 標高350mの畑。 フランチャコルタ 協会に入ればフランチャコルタを名乗ることができる土地ですが、今まで一度も考えたことは無いと言います 。氷河の影響を受けた西側と違い、強烈な 粘土質と石灰質を持った素晴らしい土地。豊かな土壌環境があるからこそのノ ンドサージュ 、そう言っても過言ではありません。

畑には シャルドネを中心にピノネーロ が植樹されており 、 一部 スキアーヴァ など以前のオーナーはが植えたブドウも残っています 。彼女が手に入れる 以前4~5年間は放棄されていたため、 その間農薬や化学肥料が使用されておらず 、動植物や菌類など、 自然のバラ ンスが戻りつつある環境でした 。 アレッサンドラの考える栽培理念は、「限りなく土地への介入を減ら す」事 。これまでの 8年間、ただの一度も土地を耕転したことは無く、雑草についても基本切ることがありません。冬の剪定と初夏の誘引、収穫以外極力手を加えたくないと話すアレッサンドラ。雑草はブドウ樹を包み隠すほどに伸びた場合のみ、 樹の周りだけ軽く切る。ビオディナミのように自然を尊重しつ つも、土地自体の力を高めようというものとは違い、 自然環境を最大に尊重した栽培方法といえます 。

もちろんのことながら、このような栽培方法では収穫量は 見込めません 。 現在でも2haの畑から たった6000本という少なすぎる生産量ですが 、 今の彼女にとっては十分な量だといいます 。華奢な彼女が、 たった一人で栽培から醸造まで行うには、今の量が限界。「一人で暮らすにはこれで十分! ただもう少しブドウがあれば、もっといろんな挑戦ができるんだけど、、。」そう話すアレッサンドラ、まだまだ試したいことが沢山あると嬉しそうに話します 。
ブドウの収穫は周囲の生産者よりもやや早い、これはブドウの完熟を無視しているというよりは、果実そのもののフレッシュ感を意識しての事、そして強い酸も同等に大切。その絶妙なバランスを見極めるために、収穫は樹ごとに見極め5~6回に分けて収穫するという徹底ぶり。
手間はかかるものの、 これも体力的に自信のない彼女が一人で作業するための理にかなった方法 。このバランスを持ったブドウは 、 除梗せず ごく僅かな圧でプレスします。果皮との接触は意識していないが、長い時間をかけて圧搾す ることで初期醗酵を促していることにもなります。

そして、彼女が何よりも尊重しているのが原酒。圧搾したモストは 、 温度コントロ ールしないのは当然で、 酵母 や SO2さえも添加することなく、セメントタンクにて 自然に醗酵を行います。 そのため醗酵が終わるまでに 1~2か月という時間を費やしてから、 木樽(古バリック での熟成。原酒が出来上がるまでに1年以上の歳月をかけ る。SO2は一度も加える事がないというこだわり。 そして、原酒の豊かさと果実を最大限表現するため、すべてのワインにおいてドサージュ一切行いません。というよりは、行う必要がないほどの原酒のクオリティが高い、そう言ったほうが正しいのかもしれません。
誰かに言われる訳でなく、最良のワイン造りを求め、誰よりも最短距離を駆け抜けるような彼女の研ぎ澄まされた感性。まだ28 歳という若さと、一見造り手には見えないほど華奢な彼女、しかし、ワインへのこだわりと信念はまるで熟練の造り手と全く変わりがない、むしろ柔軟な発想には驚かされることの方が多いかもしれません。素晴らしいセンスと強いこだわり、若くも多大な魅力を持った 造り手の一人です。(輸入元より転記)

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