Champagne Benoît Lahaye/シャンパーニュ・ブノワ・ライエ

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エルヴェ・ジェスタンと同じ志をもつシャンパーニュの造り手

ベレッシュら4人の自然派シャンパーニュ生産者と共に始めた伝説的な試飲会「テール・エ・ヴァン(大地とワイン)」の中心メンバーの一人。

ブノワの新時代を語るには、シャンパーニュで活躍するエノローグ、エルヴェ・ジェスタンのことから説明しなくてはなりません。ブノワがエルヴェ・ジェスタンと出会った 2002 年当時、エルヴェはデュヴァル・ルロワ社でメートル・ド・シェー(醸造責任者)を務めていました。二人の出会いから数年を経て、ブノワのシャンパーニュは新たな表現方法を見出し、新境地の味わいに入ったのです。

幅広い経験に裏打ちされ、ユニークなアイデアにあふれ、深い洞察力のあるエルヴェが発する言葉は途切れることがありません。深く考えるがゆえに大胆な仮説をつくり、それを実験によって検証しながら独創的なアイデアの実現にひたむきな努力をする、ワイン界でもたぐい稀な人物です。

エルヴェ・ジェスタンは、ブノワ・ライエのコンサルタントではありませんが、同じ志をもつシャンパーニュの造り手として、深い絆で結ばれています。エルヴェとの交流により、醸造においてデブルバージュや酸化防止剤の使い方など、様々な試みがなされてきました。

ブノワ・ライエは自然な醸造と栽培に情熱を傾けている造り手です。1993 年に家族経営のドメーヌを継ぎ、1996 年に元詰めでシャンパーニュを造り始めた。1994 年に除草剤の使用を完全に止め、1996 年に有機栽培を始め、畑に草を生やし、ビオディナミによる手入れ(ビオディナミ・トリートメント)を試みた。2003 年までに有機栽培への転換を終え、2007 年に有機認証を取得した。有機栽培に変えてから、ワインに明らかな違いが生まれたと彼は考えています。

ライエ作のワインは、強烈でありながら重たさの気配はなく、いかにもワインらしくて濃密な性格を示しています。ということは、畑作業の質に重きが置かれていることを物語っている。それらのワインは、常に、とてもよく熟したブドウから造られているが、自然を尊重した栽培方式による多くのワインと同様、その支配的な性格は果実味ではなくてテロワールです。といっても、皮肉なことに、各キュヴェはブジィ 100%ではないにもかかわらず、同じ村産のいかなる生産者のシャンパーニュよりも、いずれも典型的なブジィらしさを体現しています。

ドザージュは伝統的な「リケール・エクスペディション方式」にのっとっていますが、この数年は着実にその添加量を減らし続けています。けれども、バランスを重視するライエは、「ノン・ドゼ」を志向してわけではない(たしかに彼は、ノン・ドゼ版である「ナチュレッサンス」を造ろうと試みましたが、最終的に彼自身は 6g/l のドザージュが自分の好みにもっともかなっていました)。この手の(ノン・ドゼ)シャンパーニュに対する世界的な需要の高まりとともに、彼のノン・ドゼものはときにやや入手難になることがありますが、探し出す価値は充分にあります。というのは、ライエはいまや急速にモンターニュ・ド・ランスにおける最上の RM シャンパーニュ生産者に数えられつつあるからであります。


ライエは、ノン・ヴィンテッジのシャンパーニュを、「ブリュット」と「ブリュット・ナチュール」の 2 タイプで出していますが、「ブリュット・ナチュール」が事情通の人たちから偏愛されています。ピノ・ノワール主体のブレンド比率はなんと90%にも達しており、リザーヴ・ワインの割合も高くて、ときに 50%にも及びます。「ブリュット・ナチュール」のバランスと複雑さは、有機栽培に由来するブドウのさらなる成熟のおかげである、とライエは言う。「過去には、『ブリュット・ナチュール』をこのように仕立てることは不可能だったけれども、有機農法に転じてからは、それが可能になった」と、ブノワは語ります。

有機栽培とビオディナミにとどまらず、2010年から自ら飼う馬とロバにより畑を耕作。当主は「植物は、動物と接することで有様を変える。馬で大地を耕すと、一気に大地と生き物が繋がる。その際、馬を操る人間も、動物と畑に関係を生むことに意識を集中することが大切」という感受性を持ちます。主な畑は全てブジィのセラーから半径2km以内。醸造は2010年以降、100%小樽発酵。マロラクティック発酵(MLF)を行わないロットも造り、熟成後にMLFあり、なしの両ロットをブレンドし、バランスをとります。

「ヴィオレーヌ サン・スーフル・アジュテ」ほか、亜硫酸無添加キュヴェも生産。ドザージュも大半のキュヴェはゼロで、多くとも3g/Lまでに抑制。エネルギーを秘めながらも、静けさが心に伝わる見事なフィネスを生みます。

(輸入元より抜粋)

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