Maison Boiteau/メゾン・ボワトー

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 シャラントの白亜土壌、元シャトー・マルゴーの栽培長が手掛けるオートクチュール

フランスを代表する石灰岩土壌と言えばシャンパーニュとシャブリ。この白亜のテロワールから生まれる二つの産地のワインは、多くのワイン愛好家を魅了してきましたが、同じ白亜の土壌が広がる産地がもう一つフランスにあります。それは、ボルドーの北東にあるシャラント地方です。古くからコニャックの産地であったシャラントは、ワイン産地としては過少評価されてきました。しかし、シャラントの可能性を信じる一人の男が、実際にワインを造ってそのことを証明しようと立ち上がりました。2014年にミクロ・ネゴスのプロジェクト“メゾン・ボワトー”を立ち上げたジュリアン・ボワトーです。ボワトーが目指したのは、シャンパーニュやシャブリと肩を並べるシャラント地方の素晴らしい白亜の土壌から偉大なワインを造ることでした。
ミネラルを表現するエレガントなリュー・ディのキュヴェ2004年から16年間シャトー・マルゴーで栽培⾧を務めていたボワトーは、ブルゴーニュの新進ミクロ・ネゴスのように、ディテールにこだわって、一年を通して栽培を厳格に管理し、リュー・ディを表現したオート・クチュールなワイン造りを行っています。畑は丘陵斜面に位置する 0.06~1ha の小さな区画のみを厳選。総生産量 800~3000 本のリュー・ディを表現したミクロキュヴェのみを手掛けています。ボワトーのワインには、グラン・ヴァンに匹敵するエレガントさ、そしてブルゴーニュを思わせるフレッシュ感とミネラル感がみなぎっており、未開の産地シャラントの可能性を見事に味わいで証明してくれています。

メゾン・ボワトーは 2014 年に、ジュリアン・ボワトーによって設立されました。本拠を置くのは、ボルドー市があるジロンド県との境界にあるシャラント・マリティム県南部の町Saint-Fort-surーGironde サン・フォール・シュル・ジロンド。メゾンは、ボルドーに隣接するこのサン・フォール・シュル・ジロンドの白亜の石灰岩の丘陵の斜面で栽培されたブドウから偉大なグラン・ヴァンを造るために誕生したオート・クチュールのミクロ・ネゴシアンです。この大胆な挑戦には、以下のような厳格な規定があります。
※ 極めて特殊なテロワールに位置するマイクロ・パーセルの選別。
※ 一年を通してメゾンのスタッフが栽培を厳格に管理する。
※畑で収穫した完熟ブドウをその場で選果して購入する。
※ メゾンでワインの醸造と熟成、瓶詰めまでを行う。

メゾン・ボワトーではブドウを購入するにあたり、栽培区画が、0.06~1 ヘクタールの小さな区画しか選びません。メゾンのワイン造りの方程式は、1つのキュヴェに一つの区画。そして一つの区画に一人の所有者という、非常にシンプルなものです。そして、一つの所有者の一つの区画で栽培されたブドウを収穫したその場で選果して購入しています。このため、メゾンで造られるワインは、総生産量が 800~3,000 本のミクロキュヴェのみです。デビューヴィンテージは 2014年で、リュー・ディを表現したシャルドネとメルローの 2 種類のキュヴェのみからスタートして、その後ピノ・ノワールやカベルネ・ブレンドのキュヴェも手掛け始めました。ジュリアン・ボワトーは 1977年生まれ。ディジョンのジュール・ギヨ研究所で醸造の国家資格を取得。シャトー・ラトゥール、ポンテ・カネ、ラグランジュなどで研修を積んだ後、2001年にシャトー・マルゴーに入社。2004年にシャトー・マルゴーの栽培⾧に就任しました。シャトー・マルゴーでは試飲監査委員のメンバーの一人でもあり、シャトー・マルゴーのブレンド作業の試飲には必ず立ち会っていました。2016 年にシャトー・マルゴーを退任し、その後はメゾン・ボワトーのプロジェクトに専念します。
メゾン・ボワトーはフランス国内の高級レストランとファインワインショップのみに販売しています。購入しているのは、パリのル・ブリストル内にあるミシュラン三ッ星のエピキュール、オー・ブリオンのオーナー経営のレストラン ル・クラレンス、トゥール・ダルジャンなどのグラン・メゾン。そして、パリのカーブ・ルグランやタイユヴァンなど。海外への輸出は日本が初めてとなります。

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