先日放映された、プロフェッションナル 仕事の流儀。「笑顔をうつす、ひとしずく~ワイン醸造家・斎藤まゆ~」というタイトルで、山梨キスヴィン・ワイナリーの女性醸造家・斎藤まゆさんのことが特集されていました。
第13回ソムリエ世界大会優勝者、故ジェラール・バッセ氏を唸らせたというワインを産み出した斎藤さん。ジェラール・バッセさんと言えば、マスター・オブ・ワインやマスター・ソムリエなどワイン界のトップの資格やコンクールの優勝など、輝かしい経歴の持ち主。マスター・オブ・ワインもマスター・ソムリエもワインのプロとして世界最高峰の資格。その頂点に上り詰めた人が、日本のワインを絶賛するなんてどんなワインなのだろう、その記事を読んだ時、私はそう思っていました。
私がキズヴィン・ワイナリーの甲州を飲んだのはちょうど2年くらい前。バッセさんが食道がんで亡くなったというニュースが入ってきた2019年1月の数か月後でした。
改めて、甲州というブドウは面白いと思う、そして、新しい甲州のポテンシャルを発見したワインと当時のFacebookに書いてあります。
ワインは、それまで私が知っていた甲州とは異なり、アプリコットや黄桃のニュアンス、中心にある果実味とエキスと酸がキレイにバランスの取れたスタイル。
甲州というと、従来のクリーンでフレッシュな柑橘系のフレーバーを持ち味として活かした繊細なスタイル、近年は果皮と共に醸すドライでタンニンを持つオレンジワインにも定評があります。
こんなスタイルのワインを産み出せるこの品種と日本の生産者に魅せられたのを懐かしく思いながら、斎藤さんとキスヴィンワイナリーに見入った夜でした。
まだまだ日本ワインの取り扱いはできませんが、海外の生産者も日本の生産者もきっと想いは同じ。飲み手の元に届くまで、しっかり管理し美味しさを届けられる、その良さを伝えられるワイン屋になるぞ~、なんて思ったのでありました。