
抜本的な改革を遂げた、新進気鋭のドメーヌ
1840年から代々引き継がれてきた歴史のある蔵元で、現在は6代目のピエール-アンドレ・オルナック氏とその息子ギヨーム氏が経営にあたっています。
2017年には世界中のワイナリーで研鑽を積んだカミーユ・オルナック氏が参画しました。カミーユはイタリアではアヴィニョネージ、ボルドーではラグランジュといった偉大な生産者で研修。南アフリカ、ニュージーランド、アメリカでは小さな造り手やナチュラルな手法の造り手にも積極的に研修に出向きました。その実力は非常に高く、経験に裏打ちされた卓越したセンスを備えており今後の展開が楽しみです。
1900年代初めの所有者となったピエール・アンドレ氏の祖々父は、南西地区最大の都市トゥールーズの市長であり、同時に国会議員を勤めた名士でした。また祖父母はトゥールーズとナルボンヌでワイン商を営み、昔から名家としてワイン業に関わってきました。
ピエール-アンドレ氏はモンペリエ大学で法律を専攻した後、公証人事務所で2年働く間に農業関係者以外の人たちに出会っていくうち「近代農業」に対して距離を置くようになりました。
兄のジャン-イヴは、既に1976年からドメーヌで働いていましたが、今まで家族がずっと守ってきた「かけがえのない伝統」を絶やしたくない、そんな思いにかられて家業に戻る決心をし、1985年、ドメーヌに帰って兄弟のジャン-イヴと共同でワイナリーを引き継ぎました。こうして蔵に戻ってからは、「品質アップ」を目指して果敢にチャレンジし始めたのです。
協同組合からの独立と品質向上への大々的な見直し
以前は、地元の協同組合に加盟していました。「せっかく立派に育てた葡萄を収穫しても、他の栽培者の葡萄と混ざってしまっては1年間の苦労が水の泡になってしまう。自分たちの思い描く質の高いワインを造るにはこのままではいけない。」原点に戻り、昔そうだったように、自社単独で醸造すべく2人は組合を出て独立しました。また、コンサルティングを招いて現場に則した技術を会得します。
(畑仕事について)
葡萄畑の改良
赤ワイン用にはシラー、グルナシュ、メルロー、カベルネなどを、白ワイン用にはシャルドネ、ヴィオニエ、マルサンヌといった高貴種に植え替えました。未熟果を残して完熟葡萄だけ振るい落せる、細かな調整ができる優れた収穫用機械を導入。機械摘みによる青臭さが出なくなり、ワインの品質が格段に上がりました。
(醸造・熟成について)
醸造設備の大改良
美味しい葡萄を生かしたワイン造りをするには、温度コントロールができる醸造設備が必須だと考えます。醸造所全体は温度管理ができる上、発酵中を通して温度管理可能なステンレスタンクを導入し、醗酵をコントロール。葡萄本来のデリケートな香りを残すような発酵を行います。圧搾機は空気圧を使った「プヌマティック方式」を購入。(丁寧な圧搾ができて、白ワインの圧搾には最高といわれるもの)発酵温度の急上昇によって果実味を失わないよう、フレッシュな風味を最大限残すワイン造りをしています。
ピエール-アンドレ氏を『ワイン』へかきたてるものは向上心と情熱!これが原動力となってひたすら『より優れたワイン』を追求しているのです。
南仏の有り余るほどの日差しに加え、周囲の山から吹きつける強い風「タラモンタン」が畑の湿気を吹き飛ばして、ミネルヴォア地区は、他より病気の少ない地域といわれます。またラングドック地方の中でも、内陸部に位置するため、朝夕が涼しくこれがワインのフレッシュさとなって表れます。豊かな自然と、特異な微気候のおかげで、豊かな果実とジューシーなアロマのワインとなるのです。
(輸入元より抜粋)